フェレットの飼い方(2) 事故防止編
| フェレットの飼い方第2弾は事故防止編です。好奇心旺盛でイタズラ好きなフェレットは事故事例も少なくありません。予測可能な事故は防いで幸せなフェレットライフが長く続けられるようにしましょう。 |
■誤食
フェレットの事故で最も多いのが誤食・誤飲です。殆どの飼い主さんが(程度の差はあれ)経験されていると思います。
《身近な布製品》
誤食の中で最も多いのが布製品だと思います。ケージの底に曳いたタオルや、ハンモック(ヒモも含む)などはフェレットの身近なところにありますが、中には布製品を食べてしまうフェレットもいます。
フェレットを飼い始めたら、その子が布食い癖があるかないかわかるまでは十分に注意し観察を続けましょう。もし、布をくわえてクチャクチャ噛んで遊んでいたら、そのまま噛み千切って飲み込んでしまう可能性があります。布食いの素質は十分なのでそのような布製品は撤去しましょう。
ハンモックやタオルはフェレットにとっては快適な寝床となりますが、もし食べてしまう(そぶりがある)ときは、材質を変更するか、フェレの嫌いな味の付いたスプレーをかけて食べられないようにするか、どうしても食べてしまう場合は布製品を寝床にするのをあきらめる必要があります。
《トイレ砂は安全なものを‥》
トイレの砂を食べてしまう子も多いようです。トイレ砂はお腹の中に入っても命の危険がないものを選びましょう。固まる猫砂はお腹の中で固まってしまうことがあり大変危険です。絶対に避けましょう。
食べても大丈夫と言われているトフカスサンド(おからの砂)ですが、これは好んで食べるフェレットが少なからずいるようです。食べても大丈夫とは言っても食べ過ぎれば、主食のフードをあまり食べなくなってしまうなど問題はあります。トフカスサンドを使用すること自体は問題ありませんが、もしフェレットが好んで食べるようなら他のトイレ砂に変更しなければなりません。
比較的安全といわれているのが紙(古新聞など)が原料で水分を吸収すると細かく砕けるものです。これを好んで食べるフェレットは(トフカスサンド好きな子より)多くはありませんが、やはり食べてしまう場合には他のトイレ砂に変更する必要があります。
トイレシーツも食べてしまうと危険なので、食べてしまいそうならフェレットが直接シートに触れないように上に網をかぶせるとか、水切りパッとのようなものの底に敷くなどの工夫が必要になります。
《放牧中の危険な物》
フェレットにとってゴムやスポンジの製品は適度な噛みごたえのある魅力的なおもちゃです。しかし、これらは千切れやすく誤食事故が多く発生しているので、フェレットを遊ばせる部屋にはなるべくこれらのものを置かないのが無難です。もしその部屋に置いておかなければならない場合はフェレットが絶対に届かないような場所に保管してください。フェレットは意外なところにまで到達してしまうので、保管場所には十分な注意が必要になります。
掃除機の滑車など意外なところにゴム材料が使われていることもあるので、部屋にあるもの一つ一つをチェックしておいた方が安心です。
また、おもちゃとして与えるものも噛み千切れるものは避けましょう。ぬいぐるみ類は布の部分を食いちぎったり、目や耳などアクセサリー部分を飲んでしまうこともあるので注意が必要です。壊れる恐れのあるおもちゃは人の監視下でのみ遊ばせるようにしておいた方が安全です。
観葉植物は種類によっては、微量であっても食べれば致命傷となることがあり得るので、絶対にフェレットが届くところには置かないようにしましょう。また、安全とわかっている観葉植物であってもフェレットが見つければ、「絶好の穴掘り遊びのターゲット」になってしまいます。観葉植物を枯らさないためにもフェレットが届かないようにしましょう。
石けんを好んで食べたがるフェレットも多いようです。お風呂に入れるときにも注意しましょう。
《人間の食べこぼし・食べ残し》
人間の食べる物でも、フェレットにとっては有害なものがたくさんあります。基本的にはフェレットのいる場所で人が食事(おやつも含む)をするのは、衛生的な理由からも避けるのがベターですが、フェレットが食べたら危険なものは絶対にフェレットに届かないように扱わなければなりません。
特にチョコレートは非常に危険で、板チョコ半分でも致死量となるので、このような危険なものはフェレット居る場所には置かないようしましょう。実際にフェレットがチョコレートを盗んで食べてしまったという事故は多く発生しており、死亡してしまったケースもあります。
台所をフェレット侵入可としている場合は、料理をしているときに落とした食材をフェレットが食べてしまう事故が頻繁に発生します。特にねぎ類の誤食は命に関わることにもなりかねません。台所はコンロ(ジャンプして火傷)や冷蔵庫(潜り込んで感電)などフェレットにとっては誤食以外にも危険なものがたくさんあるのでフェレットが入れないようにするのがベターです。
《万が一誤食してしまったら・・》
対処方法は食べたもの・食べた量にもよりますが、基本的に速やかに動物病院に連絡を取り、獣医さんと連携して対処していかなければなりません。誤食したものの状態によっては開腹手術となり数十万円が飛んでいってしまうこともあります。くれぐれも誤食事故の起きないように注意しましょう。
ラキサトーン(毛玉取り剤)はお腹の中の異物を流しやすくしますが、安全なところに引っかかっていた異物が移動して、危険な箇所に留まってしまうケースもあり非常に危険です。素人判断でラキサトーンを使うことは絶対に避けてください。
■転落
好奇心旺盛なフェレットは家具やカーテン、その他様々なものに上るのが大好きです。しかし、降りるのは下手くそ。さらに高さに対する怖さをわかっていないことが多いので転落事故も起きやすいのです。
《ケージ内の転落対策》
高さのあるケージでは転落による事故が発生することがあります。ハンモックやロフトをセットしてフェレットが落ちても直接床にたたきつけられないようにしましょう。
ただし目の粗い金網のロフトはフェレットの足が挟まって危険なので、金網は外すか板やシートなどでカバーするのが安全です。
床や階段もフェレットの足を挟みそうなら撤去しておくのが安全です。特に階段は足が挟まって宙づりになる事故が起きやすいので注意してください。
《放牧中の転落対策》
室内で放牧して遊ばせているとき、飼い主さんがちょっと目を離した好きに家具やカーテンを上ってしまうことがあります。家具は上られないように配置し、カーテンは放牧中はたくしあげておくなど上られないようにしておきましょう。
またフェレットは椅子からテーブルへ、テーブルから棚へと、少しずつジャンプして高いところへ到達してしまうことも頭に入れておきましょう。新しい荷物を部屋に入り、家具を動かしたときなどは要注意です。
高いところへ上られないように対策するのが第一ですが、万一に備えて転落しやすい場所の下にはクッションや空のダンボール箱などを置いて、落下の衝撃を緩衝する工夫をしておくと、いっそう安心です。
《ベランダなどから転落》
マンションの2階以上のベランダからフェレットが落下する事故がしばしば発生します。このような事故では、よほど運が良くなければ命は助からないと覚悟しておきましょう。ベランダなどにフェレットが絶対に侵入しないようにしておくべきです。
■脱走
フェレットは脱走の名人です。好奇心を満たすためにありとあらゆる手段を講じて脱走を試みます。脱走したフェレットは飼い主さんが予想できないような行動をとり、その結果重大な事故に繋がることがしばしばあります。
《ケージからの脱走》
フェレット用として市販されているケージであっても、フェレットが脱走してしまうことがよくあります。脱走のパターンは次のようなことが考えられます。
(1)網の目が粗く、すり抜けてしまう ←体の小さいフェレットは要注意!
(2)ドアなどの金網が湾曲しやすいところを押し広げて出てしまう。 ←力のあるフェレットは要注意!
(3)ドアのロックを外して、ドアを開けてしまう ←器用で賢いフェレットは要注意!
(1)は網の目の細かいケージを選ぶしか対策はありません。(2)(3)は金網が湾曲しないしっかりした作りで、ドアが内側からは開けられない構造のケージを選ぶのがベターですが、そうでない場合はナスカンなどをつけて、広げられないように、あるいはドアを開けられないようにする必要があります。
《部屋からの脱走》
基本的にフェレットには帰巣本能がありません、好奇心に任せて行きたい方向へどんどん進んでいってしまいます。屋外に出たフェレットは、車に引かれたり、他の動物に襲われたり、夏であれば熱射病などで命を落とす危険もあります。迷子になったら、まず帰ってこないと認識し、絶対に屋外に脱走しないように注意しましょう。
フェレットを遊ばせる部屋を決めず、家中どこでも行けるようにしている場合は屋外に脱走してしまう危険がとても高くなります。注意しているつもりでも人間にはついうっかりが付き物ですし、来客がフェレットにいることに気づかずドアを開けたままにしているとき、フェレットが出て行ってしまうこともあります。
フェレットを放す部屋は1カ所に決めておくのが無難です。
フェレットを放す部屋を決めていても、飼い主さんの予想外つかない方法でフェレットが逃げてしまうことがあります。例えば、網戸にしていて網戸を破られてしまったケース、引き戸をフェレットが開けてしまったケース、普段は届きそうもない窓にジャンプして届いてしまったケースなどがあります。
普段からフェレットの行動をよく観察して、逃げ出す可能性が少しでもあったらその可能性がゼロになるように対策をとりましょう。
■侵入
脱走の反対です。思いもかけないところに侵入して事故に繋がることがあります。
《電気や機械製品》
狭いところの好きなフェレットにとって、テレビの裏や洗濯機の下などは、とても魅力的な場所です。なんとかして入り込もうとします。もし、そういったところに侵入してしまうと、ケーブルを噛んで感電してしまったり、モーターに巻き込まれてしまうなど、非常に危険な事故に繋がります。
感電や巻き込まれる心配はない場所でも、フェレットが出てこなくなって苦労するのは良くあることなので、やはり狭いところに侵入されないようにした方が良いでしょう。
《衣類》
タンスの中の衣類や、洗濯かごに入った衣類もまた、フェレットにとっては最高の遊び場所であり、寝床でもあります。衣類の中で遊んでいる間に疲れてその場出て寝てしまうこともあります。フェレットごと洗濯機に放り込んだり、タンスを開けてみたら2度と動かないフェレットが出てきたということのないように注意しましょう。
《首吊り事故》
放牧中居場所がわかる(踏んでしまわない)ように鈴付きの首輪をつけたり、お洒落のつもりで首輪や洋服を着ける飼い主さんがいますが、狭いところに侵入したフェレットが首輪などを引っかけて身動きが取れず、重大な事故となってしまうケースがあります。
もし首輪や洋服を着せるときは、必ず飼い主さんの監視下におき、目を離すときは首輪や洋服を外すか、何も引っかかるような場所のないキャリーなどに入れておきましょう。なお、長時間首輪や洋服を着用していることはフェレットとっては大きなストレスでなり、皮膚や被毛を痛める原因にもなるので、基本的には何も着けないことをお勧めします。
《その他》
とにかくフェレットは狭いところに入りたがるので、部屋中の隙間はふさいでおくのが無難です。
座布団の下や、ソファーなども潜り込まれて、飼い主さんが知らずに踏みつぶしてしまったという事故も頻繁に発生しているので注意が必要です。
■熱射病
一般に身体の小さな動物は暑さに弱く、暑すぎる場所では急速に水分が失われ熱射病となり、あっという間に命を失ってしまうことも少なくありません。特にフェレットは暑さに弱く、春から秋にかけて温度が上がる状況では注意を払う必要があります。
基本的にはエアコンで部屋の温度を適正に保つことがベストですが、凍らせたペットボトルを布で包むなどしてフェレットの居るところに置けば、寄り添ったり、離れたりして自分で温度を調整するようです。
フェレットは暑すぎると、動きが鈍くなり、あまり遊びたがらなくなるので、そのようなときは温度を下げるようにしてください。このような状況が続くと、直ぐには命を落とさないとしても、フェレットには疲労とストレスが蓄積し、将来的に重大な疾患を引き起こす誘因となりうることを認識しましょう。
また、布にくるまっていたり、フェレット同士で団子になって寝ているときは、飼い主さんは[暑くないのか?」と判断しがちですが、このような状態で熱射病になったフェレットもいるので、温度管理は慎重に行いましょう。
移動中の熱射病にも気をつけましょう。暑くなりそうなときは必ず水を用意し、フェレットがいつでも水を飲めるようにしておく必要があります。
車の中はエアコンが効いているようでも場所によって非常に高い温度となることがあるので、十分な注意が必要です。
電車で移動する際、冬は座席の下から温風が出ていることがありますが、床に置いたキャリーは高温になっていることもあるので注意しましょう。
夏は散歩も控えた方が安全です。人がそれ程暑さを感じない時でも、日の当たる地面は高温になっていることがあるので、手で触って確かめるくらいの注意は必要です。
蛇足ですが、人間を含めた動物は高温・低温下であっても温度が一定ならばある程度耐性ができます(慣れます)。しかし、温度変化が激しいと、対応しきれずに体調を崩しやすいので、なるべく「温度変化が少なくなるように」心がける必要があります。
■その他
最後に、その他の事故事例を紹介します。
・公園でハーネス&リードを着けて散歩していたら放し飼いの犬に襲われた
・脱走したフェレットが風呂場で溺れてしまった
・脱走したフェレットがハムスターを殺してしまった
・タオル(毛先がループ状になっているもの)に爪を引っかけてしまい暴れて骨折
・フェレットがいるのに気づかず踏んづけてしまった
・風呂の排水溝に入って出てこれなくなった