うさぎの飼い方(1) 食事編

 飼い方シリーズ第2弾は“うさぎの食事”です。うさぎの食事についての考え方は諸説あって、はっきりとこれが正しいと言い切るのは難しいのですが、リンクなりにうさぎに優しい食事について、まとめたいと思います。

■主食 〔牧草ペレット野菜
《十分な繊維が必要です》
 うさぎは完全な草食です。ハムスターやリスは雑食ですから、それら用のエサをうさぎに与えてはいけません。では、「うさぎ専用のフード(ペレット)をあげていればいいか?」というと、そうではありません。

 市販されているペレットは原料を細かく砕いて、それを固めたものです。野生のうさぎが主食にしている草は繊維質(分子レベルの細かい繊維)というよりも、見るからにスジスジの『繊維そのもの』です。最近の研究では、うさぎには、この『繊維そのもの』がとても大事だと言われています。

 結論から先に書くと、リンクでは「牧草+ペレット+野菜」を主食として育てるのが良いと考えています。

《ペレットの繊維と草の繊維》
 この『細かい繊維質』と『繊維そのもの』では、口の中でかみ砕くときの様子が全く異なります。

 口の中で、ペレットは奥歯で縦に噛み砕くだけで粉々になり飲み込める状態になります。草の繊維は奥歯を前後左右に動かして磨り潰さないと飲み込めません。この奥歯を前後左右に動かすときにうさぎの歯は適度にすり減って、適切な長さや形を保つことができるのだと言われています。

 また、繊維がお腹の中を通過するときに、ペレットの細かい繊維質と草の粗い繊維では、不必要なものを体外に排出する能力が異なってきます。草の粗い繊維は胃腸の働きを活発にし、毛玉症になりにくくするといわれています。

★牧草が一番大事です
 このように同じ繊維質でもペレットと自然に生えている草とでは、その性格が異なるため、自然に生えている「草」とほぼ同じ「牧草」はうさぎにとって好ましい食べ物だと言うことができます。

 最も好ましいのは、自然のうさぎが食べているような沢山の種類の「生の牧草」で育てることです。しかし、ペットとして飼われているうさぎに他種類の生牧草を与えることは一般の飼い主さんにとってはとても難しいことです。

 そこで、現実的に最も好ましいうさぎの食事方法は、入手しやすい乾牧草(干し草)をメインとして、ペレットや野菜で不足する栄養分などを補っていくことだとリンクでは考えています。

《アルファルファとチモシー》
 牧草で現在手に入りやすい種類に、アルファルファとチモシーがあります。

 アルファルファはマメ科の植物で、蛋白質やカルシウムが多く、高カロリーなので成長期や授乳期、そして妊娠中のうさぎに与えると良いでしょう。

 チモシーは、イネ科の植物で繊維がしっかりしていて、蛋白質やカルシウムが少なく、低カロリーです。うさぎは蛋白質やカルシウムやカロリーの取り過ぎは健康を損なう恐れがあります。生後7ヶ月を過ぎ、安定期に入ったうさぎにはチモシーを与えるようにしましょう。

★ペレットで栄養バランスを整えよう
 牧草をメインとしたとき、うさぎの健康をきちんと考えて作られたペレットなら栄養のバランスを整えるのに役立ちます。ただ気を付けなくてはいけないのは、嗜好性(おいしさ)ばかりを優先したフードをあげすぎると、栄養のバランスを崩すばかりか、他の食べて欲しいフードや、牧草を食べなくなったりすることがあるので注意が必要です。

 嗜好性を優先したフードは糖質を添加していることが多いので、糖質や甘味料などの添加しているかどうかをフード選びの参考にするのが良いでしょう。(うさぎには糖質や炭水化物は必要ありません)

 また大人のうさぎにアルファルファが原料のペレットを与え続けると、肥満や病気の原因となったりします。大人のうさぎにはチモシーが主原料で、しかも繊維質が20%以上のものが適しています。カルシウムもなるべく少ないものがベターです。

《好ましくないラビットフード》
 残念なことに、今の市場にはうさぎの健康にとっては好ましくないラビットフードがとても多く、本当にうさぎの健康を考えたフードはあまり見られないのが現状です。この背景には「昔はうさぎが食肉用や毛皮用として育てられていた」という歴史が関係しています。

 食肉用や毛皮用なら、利用する人間にとっては早くおとなになる方が都合が良いわけです。このため、「早く大きくなる=太りやすい」、「よく食べる=嗜好性優先」フードの開発が積極的の行われてきました。
 これらのフードはうさぎが成長して、年をとっていく頃のことはほとんど考えられていないと考えた方が良さそうです。

 また、うさぎの健康にあまり関心のない飼い主にとっては、「早く大きくなる」、「よく食べる」フードほど良いフードという印象を持ちやすく、健康を考えたフードがなかなか売れないため、現在に至っても昔タイプのフードが多く販売されているという現状を引き起こしています。

★多種類の野菜を与えるのが理想的
 牧草をメインとしたとき、いろいろな種類の野菜をあげるのは、とても良いことです。人によっては「牧草と野菜」だけで育てるのが一番良いと言うこともあるほどです。

 ただし、同じ野菜ばかり与え続けていたのでは栄養のバランスが取り切れません。一般の方が多くの野菜をバランス良く与え続けるのは、なかなか難しいところがあるので、ペレットと併用するのが良いのではないかとリンクでは考えています。人によって、野菜の割合を増やしてみたり、ペレットの割合を増やしてみたり、やりやすいスタイルを見つけていくのが良いと思います。

《あげてはいけない野菜》
 野菜の中にもあげてはいけないものがあります。ネギ類、ジャガイモの芽、果物の種、モロヘイヤの種、アボカド、どんぐり、ピーナッツの殻、アロエ、観葉植物などは、命に関わるほどの毒性があるので絶対に与えてはいけません。

 また、レタス、ほうれん草、ピーマン、トウモロコシなども、有害であるという報告があるので、あげない方がよいでしょう。

 さらに、にんじん、きゃべつなどは沢山与えている人がしばしば見受けられますが、これらは多量に摂取すると健康を損なう恐れがあるので、あげすぎないように注意しましょう。また、栄養価の高い果物もあげすぎはよくありません。

 『あげてよい野菜とよくない野菜』の表をアップしておきますので、参考にして下さい。
 
あげてよい野菜とよくない野菜
html版 EXCEL版

■水
《いつでも水を》
 野菜だけで育てていたときは、野菜に含まれる水だけで、水は与えなくても生死に関わることはあまりありませんでしたが、乾牧草とペレットにはほとんど水分は含まれていないので、別に水を与える必要があります。

 水はいつでも飲めるように用意しておきましょう。お皿のような器に水を入れておくことも可能ですが、ひっくり返して水浸しになると、湿気を嫌ううさぎにはストレスになってしまうので、ひっくり返らない工夫が必要です。給水ボトルを使えばひっくり返すことはありませんし、ほとんどの子が上手に使ってくれます。

 給水ボトルは最低でも1日1回は洗浄し、新鮮な水に入れ替えましょう。ボトルの中に栄養剤など(水以外のもの)を入れると雑菌が繁殖しやすくなるため、特にしっかりと洗浄するように心がけてください。給水口の細いチューブの中を完全に洗浄するのはとても難しいので、ボトルは定期的に交換した方が衛生的です。

《水が出るか必ずチェック》
 ボトルを取り付けたときは、必ず水が出ることを確認しましょう。丸一日水が飲めないのはうさぎにとって危険なことです。また、小旅行などで1日以上水の交換ができないときは、複数のボトルを設置しましょう。万が一、一つのボトルが壊れても他のボトルから給水できるため、大きいボトルが1本だけよりも安全です。

《ミネラルウォーター》
 人間用のミネラルウォーターはうさぎにとっては不必要なミネラルが過剰に含まれているため、結石の原因となる恐れがあると言われています。
■おやつ
《適量を守って信頼づくり》
 健康だけを考えれば、おやつ類は必要ありませんが、飼い主とのコミュニケーション手段として適量を与えることで信頼関係を強めることができます。あげる量は主食のフードの10%以下が目安です。

《おやつとしての野菜やフルーツなど》
 野菜は主食の項目で説明しましたが、野菜はほとんどのうさぎに喜ばれるので、おやつとして与えるのも良いでしょう。フルーツや野草も同様におやつ代わりに与えることができます。これらはうさぎ用として市販されている、クッキーなど(人間のおやつに似せたもの)よりも安心して与えられます。

 また、チモシーキューブ、ヘイキューブは牧草を固めたものなので与えすぎの心配がなく、これらを喜んで食べるうさぎには最高のおやつとなります。

《有害なおやつに注意》
 うさぎ用として市販されているおやつでも、有害な成分が過剰に含まれているものが時々あるので注意しましょう。
 カルシウム入りの囓り木などもありますが、うさぎ用のフードだけでもカルシウムの過剰摂取になりやすく、尿路結石の原因となるのであげるのはやめましょう。

《パパイヤ&パイナップル》
 パパイヤやパイナップルに含まれている消化酵素によって、お腹の中に毛玉が貯まるのを防いでくれると言われていますが、必ずしもそうとは言い切れないと説もあります。全く効果がないわけでもなさそうなので、あげてみてもよいでしょう。(飼い主さんの考え方次第)

 毛玉予防にはこまめなブラッシングが最も有効です。パパイヤやパイナップルを過信しないようにしましょう。

《パン》
 学校で飼育されているうさぎがパンを主食にしていると言う話を聞くことがあります。パンは繊維質が少なく、炭水化物が多いため、うさぎの主食にはなりません。おやつと考えてあげすぎないようにして下さい。

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